俺が、起きた時にはもう莉亜は集中治療室に運ばれていた。





あわてて向かうと、赤松さんが待っていた。



「神崎さん、点滴抜いて屋上に向かったみたい。
それで、倒れて、今とても危険な状態みたいよ。」


俺は、近くの椅子に座り込んだ。










いつも、握っていたあの手を、離さなかったら、









この運命も変わっていたのだろうか。















数十分、うつむいていると、莉亜を乗せたベットがすぐ横を通り過ぎた。








「忍君、行ってらっしゃい。」


赤松さんに見送られ、俺は莉亜の病室へと走った。


















「なんとか、一命を取り留めました。」

病室の前で莉亜の母親と、医者が何か話していたが、無視して病室を開けた。


「あっ、こらっ、きみ―――」

病室に鍵を掛けて、莉亜に駆け寄った。










「莉亜。」

呼びかけると、彼女は静かに目を開け





「忍。」


って、言い返した。