莉亜が寝ている間、なぜか赤松さんは俺を呼んだ。

「神崎さんは、頑張ろうとか治さなきゃとか、色んなプレッシャーに押しつぶされて体が弱っているわ。」

俺も分かっていた。
なのに―――――

「守ってやれなかった・・・。」

唇を噛みしめる。
赤松さんは、俺から目線を外し、コーヒーを一口飲んだ。

「あなただけの責任じゃないわ。
・・・こんなことになっているのに、あの人は来ないのね。」

赤松さんは、険しい表情を浮かべた。

あの人―――莉亜の母親。
きっと連絡をしたが、来なかったのだろう。






哀れだ。






「・・・しばらくは、リハビリを減らしましょう。
黒崎くん、神崎さんをよろしくね。」

そう言って、赤松さんは病室を出て行った。






俺が、闇の中にいる莉亜を助けることができるのだろうか。




いや、助けなければいけないんだ。










俺が、あの子の羽をへし折ったんだ。














あの子に、沢山の光を与えなければ。


















俺の中の精一杯の光を。