手の熱さで目が覚めた。

「ん・・・、莉亜?」

莉亜は笑顔で俺を見つめている。
手をぎゅっと握りながら。


「何、してんの?」

思わず手を払おうかと思ったが、予想以上に力が強く諦めた。

「忍が私の手を握りながら寝ちゃって・・・、あんた意外に可愛い所あんじゃん。」

クスクス馬鹿にするように笑った。

「笑うな。・・・体平気か?」

莉亜は首を縦に振った。
でも、きっと点滴や疲労で疲れ切ったいるだろう。

「散歩するか。」

莉亜は、頭にはてなを浮かべながら固まっていた。
俺は無理やり車イスに乗せ、病室を出た。


照りつける太陽、小鳥のさえずり。
この病院内にある中庭には、案の定誰もいなかった。

「この場所、気に入ってるんだ。」

闇に溺れた俺と莉亜を包む、光輝く太陽。
その光が、俺と莉亜の闇を打ち消してくれる。
そんな気がするんだ。

「俺の話、聞いてくれる?」

莉亜は笑顔で頷いた。





きっと、今の君なら受け止めてくれるだろう。




俺の闇を。