入院1日目。

下半身が使えない為、車イス生活だ。
今日は、初めてリハビリを行う。

リハビリ専用の部屋に入ると、女の人が立っていた。


「神崎さん。リハビリの担当をします、赤松です。」


ポニーテールで、童顔の20代半ば。
笑顔はキラキラ輝いていた。


「神崎莉亜です。宜しくお願いします。」


車イスの私の高さに合わせて、膝を曲げ、笑顔で握手を求めた。
私も愛想笑いで、握り返した。


「初めは、・・・試しに、立ってみましょうか。」


私は、赤松さんの肩に手をかけ、力を振り絞り、立ち上がった。












・・・・のは、一瞬で










「わっ!?」









すぐに、床に崩れ落ちた。











「莉亜ちゃん!?」



すぐに、母が駆け寄った。

立ち上がろうとしただけで、息が切れる。



「・・・このように、すぐに立ち上がることはできません。
何回も何回も行って、やっと一つの動作ができるようになります。
リハビリに必要な事・・・それは、やる気、根気、負けん気です。」


赤松さんは、私の目をじっと見つめながら、そう言った。



「まずはじめは、長くお世話になる車イスの操作の練習をしましょうか。」


赤松さんは、私を車イスに乗せると、車イスの操作を教えてくれた。














私、立ち上がれないんだ。
















こんなので、歩けるようになるのかな。













早くも、[絶望]の文字が見えかけた。