「もう大丈夫だよ、お母様。」

私の一言で忍は理解したように、席を外した。


「あなた・・・莉亜ちゃんを突き落とした犯人ね!?」


母は、忍を指さし怒鳴った。


忍は呆れた顔をしていた。


「何よその顔は!!
人の大事な娘に、取り返しのつかない大怪我を負わせて!!
訴えるわよ。一生牢屋に入っていなさい!!」


母は、鬼の形相で忍を罵倒した。


「お母様、いいの、大丈夫。
私が勝手にやったことだから。」

私が母を宥めても、まだ怒りが治まらないのか忍を押し倒した。


「莉亜ちゃんが何と言おうと、母親の私が許さないわ。」


母がついに、忍に手を出そうとした手を、





ぎゅ





と掴んだ。




「私の意見は無視ですか?どうして何でもかんでもお母様が決めるの?私には権利はないの?・・・私がいいって言ってるんだから、ほっといて!」


私が母の手を振り払うと、母は目をまん丸にして固まっていた。






「ご、ごめんないさい。莉亜ちゃんの事何も考えなくて・・・。し、失礼するわね。」


母はパタパタと病室を後にした。



「見なおしたぜ。」



忍は立ち上がって、私に優しく笑いかけた。







その顔にドキドキしてしまう。