あの日の記憶



そうだ。3年前の今くらい…

私の人生は変わった。


中学に入学して2週間。


私たちの地区には幼稚園、小学校、中学校と1つずつしかないため、みんな見知った顔ばかりだ。


しいて言うなら転校生くらいだろうか。知らないのは。



そんな事を考えながら、友達とこれからについて楽しく話していた。



すると、いきなり先生が叫んだ。



「柊さん…!!」



すごい形相だった。


「は、はい!?」


思わず声が裏返ってしまったのを覚えている。



「今すぐ…ハァ…家に、帰りなさい…!」


息を切らせながら言葉を繋ぐ先生を見て、ただ事ではないことはわかった。


「な、なんでですか?」

気持ちを落ち着かせたくて、そんな質問をした。


先生は顔を伏せながら


「柊さんのお父さんが…。」



あぁー…なんとなくわかってしまった。


お父さんは癌を患っていたし、最近は病院通いがよく続いていた。