あの日の記憶


救急車に乗ることになった私と紗綾は急いで乗った。



春斗も私たちを気にかけて一緒に乗ってくれた。



春斗の両親も後から車で来てくれると言った。




病院の椅子に腰掛けながら、待った。




その待ち時間がとてもとても長く感じた。




身震いして涙を浮かべる度に、春斗がぎゅっと抱き締めてくれ、優しく言葉をかけてくれた。




手術室から医者が出てきた。




「お母さんは助かったよ。」



と私の頭を撫でてくれた。




今まで紗綾を不安にさせないように気を張っていた分、気が緩んでその場に座り込んでしまった。



小さい子みたいに声をあげて思い切り泣いてしまった…。