翼先輩の方に夢中で、副会長なんて全然見てなかった。



「ご、ごめんなさい!」


「いいよ。ケガない?」


「はい…」


「よかった。準備、一生懸命頑張るのはいいけど、気をつけてな?」



優しいと評判の副会長、雨宮先輩。


端正な顔立ちに、さわやかな笑顔が似合う。



確かに、かっこいい。




雨宮先輩は、チラッと階段の上にいる翼先輩を見てから、私に笑顔を残し、階段を降りて行った。