ちょっと肌寒い夜。


どこからか、虫の声がする。



外灯もなく、月と星の光だけが私たちを照らす。



「で、結愛ちゃんとケンカしたんだって?」



先輩、何でそんなに普通に話せるの?



何だかちょっと悔しくて、


私は、好きが溢れないように必死で気持ちを抑える。



「ケンカって言うか…うん。ちょっと、当たっちゃった。あと、みんなにも…」


「ごめん、俺のせい?」


「ううん、そんなことない!ただ、イライラしてただけだから…」


「嘘つけ」



先輩はそう言って、私の頭を引き寄せた。


私は、先輩にもたれかかるような姿勢になり、ドキドキは最高潮。



頭に手、置かれてるし…。



慣れないことだらけで、もうおかしくなりそう。