何だか、私が2人いるみたい。
いじわるを言ってしまう自分と、言っちゃだめだって止める自分がいる。
ごめんね、みんな。
でも、自分にブレーキがきかないんだ。
「ごめん、私ちょっと花音と話してくるから、みんな自主練してて!」
そう言って、結愛が私の手を引き、部室の外に連れ出した。
「何かあったんでしょ?どうしたの?言わなきゃ分かんないじゃん!」
結愛って、大人だな。
私って、本当に子供。
結愛の優しさに触れて、私も優しい気持ちになった。
意地悪な汚い心を、結愛が溶かしてくれた。
素直に話そうと口を開いた、その時。

