「ごめんね、下手で」 嫌味を含んだ私の言葉に、みんながびっくりして私を見る。 いつもの私なら、笑って『もう1回!』って言うもんね。 でも、今日はそんな元気ないんだ。 その頃の元気が、どこから出てきたのかと思うくらい。 「別に、下手とは言ってないじゃん!最近の花音、ヘンだよ?」 気まずい空気が流れる。 「まぁまぁ、もっかいやろうよ!」 つぐみが、そんな重い空気をかき混ぜてくれた。 でも、何だか苛々する。