「そんな落ち込むなって!明日、また行こっ?」
結愛に慰められ、とぼとぼと部室を通り過ぎる。
「あ、花音ちゃん!」
後ろから、声がした。
振り返ると、飲みかけのペットボトルを持った先輩がいた。
結愛が、私の背中を押した。
「生徒会室来てたって聞いたけど、どした?」
「別に大した事じゃないんです!本番、私たち何時頃かなって思って!」
「大した事じゃん!ごめんな、まだ日程しっかり決まってないから、決まったらまたメールするわ!」
「はい!部活、頑張ってください!」
「うん、ありがと」
先輩は笑って、ギターとドラムの音が鳴り響く部室へ戻っていった。
先輩と別れたあとも、私は放心状態で、ずっと突っ立っていた。