「お前ら、最高!!!」



ラスト1曲を終えた瞬間、梓先輩が観客の方を指差し、大声で叫んだ。


観客の方は、すごい歓声。



私は、お疲れ様でしたと心の中で呟いた。



「翼は、花音ちゃんのこと好きだよ。しかも、ものすごく。」



私は、また涙目で拓海先輩を見上げた。



「梓は、花音ちゃんに妬いてたんだと思う。花音ちゃんと、翼の気持ちが通じ合っていることを多分知ってたから。」



拓海先輩は続ける。



「俺、翼に頼まれたんだ。」


「何を…?」



私は目からこぼれおちた涙を拭って、拓海先輩に聞いた。