「花音、どうすんの?本当に、これでいいの?」
結愛が、不安そうな顔で私に問う。
体育館の奥に消えてしまった先輩。
次の瞬間、体育館のすべての照明が落とされ、ステージにスポットライトが当てられた。
ついに、グルゼのライブが始まる。
熱気が一層増し、さらに騒がしくなる体育館。
「どーもー!グルゼです!昼間見に来てくれた人は、本当にありがとう!また楽しんでねー!!」
楽しそうな梓先輩を見ていると、涙が出そうになる。
このライブが終わった後、梓先輩は翼先輩に気持ちを伝えるだろう。
翼先輩を好きな気持ちは、誰にも負けない。
もちろん、梓先輩にだって。
でも、何だか今は自信がないよ。
私は溢れそうな涙をこらえ、真っ暗な天井を見上げた。

