「マイクの調子がおかしいんだけど…。スイッチ入んない!」 部室での初めての練習。 でも、さっきからマイクの調子が悪い。 私は、マイクのスイッチを入れたり、消したりを繰り返す。 せっかく早く来たのに…。 「困ったね~。マイクなしでいく?」 チューニングを終えた結愛が言った。 まだマイクのセッティングの仕方さえも、よく分からない。 諦めるしかないか…。 私はちょっと肩を落として、立ち位置につく。 その時だった。