「お疲れ様でーす」
舞台裏で、ステージを終えたグルゼの先輩たちに、挨拶をする。
適当な場所に座っていた私の横に、最後にやって来た翼先輩が座った。
ドキドキしすぎて、先輩にすぐ『お疲れ様』が言えなかった。
「はぁーっ!疲れた!」
「お、お疲れ様っ!!」
「おー。客結構来てたけど、ちゃんと飴配ったかぁ?」
「バッチリ!」
私は、空になった飴の箱を先輩に見せた。
「お、偉いじゃん!」
先輩はそう言って、くしゃくしゃって、私の頭を撫でた。
ずっと、して欲しかったこと。
いつも先輩は、何も言わなくても、分かってくれるね。

