私と彼は、船の中の一室にいた。
でも、誰もいない。
その代わり、綺麗な夜景が見えた。
「綺麗…」
「そうだろ?この町の夜景は俺も好き
なんだ。」
「私の町は、ゴミだらけで、汚いから。
誰もかもが飢えてる。
だから私は、羨ましいの…
この町が」
「類衣子…」
私だって、本当は、貴族になりたい。
嫌いだけど、でも…
私達が貴族なら、妹達を幸せに出来る
はずだから…
「俺、君の町に行きたい。
今はまだ無理だけど…
いつか必ず、行くよ。
それと、またこの町においで。
今度、俺が町を案内するから」
「ありがとう、若崎さん」
そのとき、ぐらっと船が揺れた。
「きゃあっ!」
「危ない!」
ぽすっ。
誰かの胸に、私は飛び込んだ。
え⁉︎
「類衣子…?怪我はない?」
「は、はい…あ、え、す、すみま、せ」
「何謝ってるの?類衣子…
男に抱きつくの、恥ずかしい?」
「〜っ⁉︎」
「類衣子は、何も知らないから、
少しいじめたくなるよ。
反応が可愛いし」
「や、だから、そのっ」
「男に狙われるね、類衣子」
「や、やめてください!」
「類衣子。冗談だから冗談」
もう、冗談でも私をからかうのやめて
ほしい。心臓がバクバクする…
「踊ろうか、お姫様?」
「え?私、ダンスしたことない…きゃっ
!」
いきなり引き寄せられ、体が密着した。
「⁈若崎さん、」
「何?」
「私、ダンス分からないです…」
「いいよ。体は俺に預けて」
うう…な、何それっ。
あれ?体が勝手に…
「いい調子だね。ダンス上手いよ」
「い、いや…」
褒められて少し照れる。
嬉しくて、舞い上がりそうになる。
「いつか、君を迎えに行くよ。類衣子」
その、おとぎ話のような甘い台詞を
吐いて、彼は美しく笑った。
私が覚えているのはそこまでだ。
でも、誰もいない。
その代わり、綺麗な夜景が見えた。
「綺麗…」
「そうだろ?この町の夜景は俺も好き
なんだ。」
「私の町は、ゴミだらけで、汚いから。
誰もかもが飢えてる。
だから私は、羨ましいの…
この町が」
「類衣子…」
私だって、本当は、貴族になりたい。
嫌いだけど、でも…
私達が貴族なら、妹達を幸せに出来る
はずだから…
「俺、君の町に行きたい。
今はまだ無理だけど…
いつか必ず、行くよ。
それと、またこの町においで。
今度、俺が町を案内するから」
「ありがとう、若崎さん」
そのとき、ぐらっと船が揺れた。
「きゃあっ!」
「危ない!」
ぽすっ。
誰かの胸に、私は飛び込んだ。
え⁉︎
「類衣子…?怪我はない?」
「は、はい…あ、え、す、すみま、せ」
「何謝ってるの?類衣子…
男に抱きつくの、恥ずかしい?」
「〜っ⁉︎」
「類衣子は、何も知らないから、
少しいじめたくなるよ。
反応が可愛いし」
「や、だから、そのっ」
「男に狙われるね、類衣子」
「や、やめてください!」
「類衣子。冗談だから冗談」
もう、冗談でも私をからかうのやめて
ほしい。心臓がバクバクする…
「踊ろうか、お姫様?」
「え?私、ダンスしたことない…きゃっ
!」
いきなり引き寄せられ、体が密着した。
「⁈若崎さん、」
「何?」
「私、ダンス分からないです…」
「いいよ。体は俺に預けて」
うう…な、何それっ。
あれ?体が勝手に…
「いい調子だね。ダンス上手いよ」
「い、いや…」
褒められて少し照れる。
嬉しくて、舞い上がりそうになる。
「いつか、君を迎えに行くよ。類衣子」
その、おとぎ話のような甘い台詞を
吐いて、彼は美しく笑った。
私が覚えているのはそこまでだ。
