ったく…呆れながら目の前の背中を見上げた。
涼の背中が、なんだか大きくなったように感じる。
そういえば、自転車の鍵をなくしたりパンクして乗れない時なんかはよくこうして二人乗りしてたっけ…。
「おい、着いたぞ」
昔を思い出しながらいろいろ考えているうちに、気付けばもう自転車は学校の校門を抜けて駐輪場に着いていた。
「お疲れー♪」
「うん、マジ疲れたし」
「帰りもよろしくー♪」
「…はいはい」
そして自転車をとめ、ふたりで歩きだしたその時だった。
「涼くーん!」
後ろから響いてきた声と、駆け寄ってくる足音。
振り返るとそこにはあの岡崎さんがいて。
「おはよう!」
ものすっっごい笑顔でそう言うと、涼のそばに寄り添うように立っていた。



