そして翌日ーーー。
「おはよ!」
「お、おは」
ケンカをしていたこともすっかり忘れたようにあたし達はいつものあたし達に戻っていた。
「つーかさ、チャリの鍵どっかいったんだよ」
「はぁ?ないの?」
「探してたんだけど見つからなくて。とりあえず8時だから出てきた」
「出たきたって…どうすんの?」
あたしがそう聞くと涼はニッと笑って。
「乗せてって♪」
言いながらあたしの自転車の後ろに乗ろうとする。
いやいや、おかしいし。
「何で涼が後ろなわけ?普通男が前でしょ」
「大丈夫、みのりなら余裕だって」
「はい?あんたが後ろ乗ってよ」
あたしはそう言うとすぐに自転車をおりて涼にハンドルを握らせた。
「ったくしょうがねえなぁ」
ブツブツ言いながら、渋々自転車にまたがる涼。
しょうがないはこっちのセリフだし。
「早く乗れよ」
「はいはい」
そしてあたしが後ろに乗ると、すぐに自転車は走り出した。



