「ちょっとかっこいいとか言われて調子乗ってんのよ、このふたり」
「えっ?」
隣に立つユリが、何故か小さな声で話し始めた。
「D組でモテてるっていうか、朝からふたりして女子に囲まれててさ。かっこいいとか言われて鼻の下のばして」
「へぇーっ…そうなんだ」
「なんかさ、私ふたりと仲良いじゃん?だからなのかは分からないけど、同じクラスの女子は全然話してくれないし。なのにあいつら放置だよ、私のことなんてお構いなしでデレデレしちゃって。私が一人でいても気にもしてないし」
ユリはそう言うと、ふっと空を見上げながらため息をつく。
その横顔は、なんだか珍しく寂しそうだった。
「…それ、むかつくね」
「でしょ?」
ユリと話しながらチラッと後ろを振り返ると、ハルとじゃれ合う涼とふと目と目が合った。
ったく…デレデレ鼻の下のばしてたとか。
ユリのこと放置とかマジでありえない。
なんだか無性に苛立って、あたしはぷいっと涼から目を逸らした。



