そしてハルも。
「岡崎は涼が走って行った後すぐに泣き止んでたよ。あんなのこっちから願い下げだっつーの!って体育館で叫んでた」
「…そっか」
涼は気まずそうに苦笑いを浮かべる。
きっと精一杯の岡崎さんの強がりだったんだと思う。
好きだからこそ…そう言うことで傷ついた心を支えたのかもしれない。
誰かを好きになると周りが見えなくなるのはあたしにも分かる。
不安な気持ちも嫉妬する気持ちも。
邪魔な存在を消してしまいたくなる気持ちも…全部分かる気がするから…
だからあたし、あんな態度を取られてもあんなことを言われても、岡崎さんをキライにはなれなかった。
早く傷ついた心が癒える日が来ますように。
願うことしかできないけど…心からそう思った。



