幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜







10月半ば。

日本列島に向け北上してくる台風の影響で昨日から荒れた天気が続いていた。


明日は文化祭だというのに今日も朝からずっと雨だ。


準備に追われたここ二週間。

騒がしい教室や廊下を見渡しながら、放課後に学校に残るのもこれが最後かな…そう思いながら窓の向こうの雨空を見上げた。



「雨風が強くなってきてるぞー!ひどくならないうちに下校しろー」


その時、学年主任の先生の声が各クラスにそう言って回っているのが廊下から聞こえてきた。


「何だか嫌な空だな…」


真っ黒な雨雲と土砂降りの空を見てそう感じた。



「バイバーイ!」
「お疲れー!」


そんな声をチラホラと聞きながらずっと外を見つめていると、気がついたらもう教室の中には誰もいなくなっていた。


早っ…もうみんな帰っちゃったの?


そう思ったその時、教室に入ってきたふたりの姿に少しだけホッとした。


「うちのクラス以外はまだまだ準備に追われてるみたい。早く終わらせといて正解だったな」


真鍋がそう言うと、隣にいるアリサちゃんも笑顔で言った。


「本当、早く帰っちゃお!さっき一瞬空も光ってたし。雷鳴りだしたら怖いしさ!」


うん、と頷きあたしは帰る用意を始める。



「あ!そうだ。私大事なこと忘れてた」


だけどアリサちゃんは何かを思い出したようにハッとなっていて。


「ごめん、ちょっとだけ待ってて!今日はひとりで帰りたくないし!」


先生に確認しなければいけないことがあるからと急ぎ足で職員室へと向かっていった。