「あっ、…ごめん」
だけどあたしがその手に視線を落とした瞬間、すぐにその手は離された。
なのにずっとドキドキしていた。
しばらく試合なんて目に入ってこなかった。
ほんの少し触れていただけなのに…
掴まれていた手が何だか熱くなっていて。
真面目に試合を見ている涼の肩が時々触れる度、手だけじゃなく顔や体も熱くなっていった。
完全に意識してしまってる。
考えないようにしようと思えば思うほど、逆に考えてしまってるような気がした。
「くそー、阪神のボロ勝ちだったな」
「そうだね」
そして気がついたらあっという間に試合は終わってしまっていて。
涼と一緒にいられる時間は、帰り道のあと少しだけになっていた。



