「勝ったんじゃない⁉あたし」
「いや、俺だろ?」
同じくらいの場所まで飛んでいた二つの靴。
俺たちはケンケンしながらその場所へと進んだ。
「ほらぁーっ♪あたしの勝ちじゃん」
「…あー、そうですね」
ほんの少し。ほんの1センチか2センチ。
みのりの靴の方が俺の靴よりも前に落ちていた。
「昔からあたしの方が靴飛ばし強かったよね」
「は?そんなことねえし」
「はいはいっ」
ぼんやりとした記憶が、ハッキリと思い出されていく。
靴とばし。
そういや、いつもみのりに負けてたっけ。
悔しがる俺のそばで、いつもみのりはこんな風に笑ってたんだよな。
幼い頃の面影と、今のみのりが重なる。
懐かしいな…よく遊んだよな。
毎日毎日こんなふうに、お前は笑ってたよな。



