「返却してくる」
「ん」
何だかぎこちない空気のまま、店内に入ると別れた俺たち。
棚に並ぶDVDを適当に流し見ながら、一つ二つと手に取っていった。
借りたいDVDがあるなんて言ってしまった手前、借りないわけにはいかない。
「えっ、借りたいって言ってたのそれ?」
ブラブラと店内を回っていると、やっと後ろからみのりの声がした。
「えっ?あー、まぁ」
「それ、あんまり面白くなかったよ」
「えっ、マジ?」
「あははっ、うん、マジ」
久しぶりに見たような気がしたみのりの笑顔。
その顔を見た瞬間、何かホッとしたような自分がいた。
やっぱ笑ってる方がいい、こいつは。
「じゃあ何か面白かったやつある?」
「うーん、そうだなぁ…あ、これは?」
「あっ!これ見てみたかったんだよ」
「結構面白かったよ、主人公がさ、詐欺師なんだけど、その詐欺師が超すごい詐欺師に引っかかるの」
「え、ネタバレかよ」
DVDのパッケージを見ながら俺がそう突っ込むと、みのりはごめんと謝りながらも楽しそうにまた笑った。



