「じゃあ、行くぞ」
俺のそんな声と共に走り出す自転車。
ゆっくりとペダルを漕ぎながら、見慣れた景色を進んでいく。
「元気か?」
後ろから聞こえてくる声に、そっと耳を澄ませた。
「えっ?元気…だけど」
「そっか」
みのりとユリがケンカをした日から、朝も帰りも一緒じゃなくなって。
隣に住んでるっていうのに、みのりとはほとんど顔を合わせていなかった。
時々学校では見かけていたけど、こうして声を聞くのは何だかすごく久しぶりな気がする。
だけど、何を話せばいいのかがよく分からない。
ユリとのことが気になってはいるけど…
余計なことを言ってしまいそうで、うまく言葉が見つからなかった。
それにみのりも。
いつものように俺に話しかけてくることはなくて。
静かな雰囲気のまま、レンタルショップへ着いてしまった。



