「いつまで寝てるの?いい加減起きなさい」


ガバッと布団を取られ、夢から覚めた。

目の前には母さんが仁王立ち。

視線をずらし、壁に掛けてある時計を見ると時刻はもうすぐ11時になろうとしていた。



「寝過ぎるともっとバカになるわよ?」


寝ぼけながら目をこする俺にそう言うと、母さんは呆れた顔をしながら部屋から出て行った。


「はぁっ…」

ため息をつき、俺は枕元に置いていた携帯に手を伸ばした。


あっ、やっぱきてる。


【おはよー♪明日、サッカーの試合終わってからは時間あるかな?】


画面を見つめながら内容を3回見返して。


【ないけど。どうかした?】


すぐに返信メールを送った。


相手は、クラスメイトの岡崎。


最近、朝晩に最低でも一回はメールがきていて。

起きてすぐの携帯チェックはそれに慣れてきた俺の日課になりつつあった。