「考えすぎんなって。お前べつに変なやつじゃねえし」
「えっ?」
「明日は普通に話しかけてみろよ。絶対すぐに友達できるから」
涼はそう言うと、なっ?とあたしを見下ろして。
「だからいちいちへこむな、チビ」
言いながら、あたしの頭にぽんっと手を乗せた。
「ちっ、チビじゃないし!157センチあるし!涼がどんどん背伸びてるだけじゃん」
そしてあたしがそう言い返すと涼はクスッと笑いながら「はいはい」と軽く受け流した。
「自分の方がずっとチビだったくせに」
「はぁ?」
「中2の冬くらいまではあたしの方が高かったじゃん」
「はいはい、そうでしたね」
ふと昔を思い出しながらそう言ったけど、涼は呆れたようにまた笑って。
「でも今は俺の方が13センチも大きいからな」
自慢げな顔でそう言うとくるっと前を向いて歩いていく。
13センチ…ってことは…今170センチ?
涼、そんなに背伸びたの⁉︎



