「お前何かあった?」

「え?」



ユリ達と別れたいつもの帰り道。

隣を走る涼は自転車を漕ぎながらチラッとあたしの方を見た。



「何か最近元気なくね?」

「そ、そう?別に普通だけど」



同じスピードで進む涼とあたしの自転車。


変?



「あ…ここ、すっかりもう緑一色だね」

「え?あぁ、そうだな」


ほんの一ヶ月ほど前までは綺麗な桜がたくさん咲いていたこの道。

見上げながら、ふと時の流れの早さを感じた。