美野里side

「・・・・バカ。」


思わず口にした言葉。

実乃流がそんな風に思ってたなんて・・・。


「バカだよ、実乃流は・・。もう十分守ってもらってるよ・・・。」

目から涙があふれた。


「実乃流・・。私も実乃流の事が、好き・・だよ。」


瞬間、私の体は心地よい体温で包まれた。

「ずっと好き。」


耳元でささやかれる言葉。

たった一言で満たされる心。


お父さん、お母さん、ごめんね?
いけないことだって分かってても、今、とっても幸せなんだ。


私は力いっぱい実乃流を抱きしめ返した。

「・・・大好き!」


この気持ちが伝わるように。






                      END