「ありがとね、美野里。・・・生きててくれて。」


美野里の視線がどうしたの?と言っていた。


「・・・何でもない。」


俺は美野里に微笑みを送った。


照れてる美野里が愛しくてしょうがない。


「・・・好きだよ、美野里。」



「・・・・え?」


「一人の男として、美野里が好きだ。」


美野里の瞳が揺れる。


俺は、何言ってんだ?

今まで必死に隠してきたのに。


「ねぇ、美野「・・・さわらないで。私はそんな気ないから。」」


美野里は俺をにらみつけるとそのまま走って行った。


「っ待てよ!・・・美野里。」


美野里を捉えようとした腕は宙を切った。




どうしようもない悲しみが、俺を襲った。



月明かりが俺を包んだ。

満天の星空が憎らしいくらいに輝いていた。