ーピピピッピピピッ

「……っ」

目覚ましが鳴ってる…。

起きなきゃ…。

そう思ってるのに布団から出られない。

体が重い…。


あれ…そういえば昨日何で寝ちゃったんだっけ…?

寝起きの頭を一生懸命フル回転させ昨日あったことを思い出してみる。


「…たしか、変な3人と一緒に住むことになって…その3人が、ヴァンパイアで……それで」



それで……。

ー私は血を吸われたんだ…。


右手で首筋を触る。

少し離れたところにもう1つ噛まれた跡があった。

1つはルイの、もう1つはエルに噛まれた跡。

…やっぱり。

「……夢じゃなかったんだ」

布団の中でポツリと呟く。


でも、自分でも信じられないほど冷静だった。




「…そろそろ起きよう」

私は体を起こそうと布団をめくると見覚えのある人物が布団の中にいた。

艶のある長めの黒髪にキメの細かい肌…形のいい薄い唇に整いすぎている綺麗な顔の人物。

その人はスー…スー…と規則正しく寝息をたてていた。


「セレ⁈‼︎‼︎‼︎‼︎」

なんで、セレがここにいるの⁈

必死にセレを起こそうとしても本人は全く起きる気配がない。

私もすぐに逃げようとしたが、セレの長い両腕が私の体に巻きついていて逃げることができなかった。

抱きつかれてたから、体が重かったのか…。

「セレ‼︎‼︎」

「…んっ?…もう、朝ですか?」

寝起きのせいか少しボーッとしている。

なんか可愛いかも…。

…じゃなくて‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎

「何でセレがいるの⁈‼︎」

「なんでって…昨日一緒に住むってなったじゃないですか(ニコッ」

「そうじゃなくて、なんで私のベットにいるのかってことを聞いてるの‼︎‼︎」

「それは、昨晩レイラが僕を誘ってきたから僕我慢できなくなってしまい…「嘘つかないで下さい」


私が真顔で言うとセレは小さく、すいませんと言った。



少し経ってセレは昨日のことを話してくれた。

「昨日、ルイとエルがあなたの血を吸い過ぎてしまい…あなたは気を失ってしまったんです。ですから僕がここまで、あなたを運んできたんです」

「…あ、それはありがとうございます」

「あなたの寝顔を見ていたら…僕もつられて寝てしまっていました(ニコッ」

別にやましいことなどはしていないのでご安心を、と付け加える。


何だ…そういうことだったのか。

ボサボサの髪を手ぐしでなおしながらセレを見る。

白シャツのボタンを鎖骨が見えるくらいにまで開けていて何というか…

……朝から色気がすごい。

セレの顔が朝日に照らされる。

とっても綺麗…。


「あの…レイラ?」

「…あ、何でしょうか?‼︎‼︎」

急に声をかけられて体が大きく跳ねる。


思わず見惚れちゃったよ!!!!!

赤くなった顔をおさえてセレの方を向くと…


「あの、学校……遅刻しますよ?(ニコッ」

目を細めながらそう私に言う。



え、

遅刻する…?



恐る恐る時計を見ると、

時計の針は8時45分を指していた。


「レイラ顔が青ざめていますよ?具合でも悪いのですか?」

セレは悪気のない顔で心配してくる。


私はセレの言葉を無視して猛スピードで制服に着替えてから、



「行ってきまーーす!!!!!!!」




学校に、猛スピードで向かったのであった。



もちろん遅刻になったのは言うまでもない。