あれから数十分が経過した。



私達4人はというとー…。



『僕らもあなたも、お互い初対面だということで自己紹介などしましょうか(ニコッ』

というセレの意見で自己紹介をすることになった。



まず最初に私の隣にいるセレが笑顔で口を開く。

「先ほど申し上げましたが、僕はセレ=アルヴァーン。こちらの2人の兄にあたる者です」

セレはそう言って頭を下げる。



セレの少し長めの漆黒の髪は少し無造作にセットされていて、スッとした高い鼻、モデルにも勝る顔立ちしていて…ルビーのような真っ赤な瞳を持っていた。

同じ人間とは思えないー…。

「いろんな意味でこれから仲良くして下さい。まあ、拒否権はありませんがね(ニコッ」


いろんな意味でって何ですか、いろんな意味でって‼︎‼︎‼︎

この人は黒い笑顔が似合う…私はそう思った。


次に紹介を始めたのは私と向かい側に座っているフードを被った人だった。

さっきから顔が見えなくて困ってたんだよね…。

「…はあ…」

…そんなあからさまにため息をつかないで下さい。


その人は、いかにもめんどくさそうにフードとって…

「………ルイ=アルヴァーン…」

紹介をしたと思ったら、すぐにどこかへ行ってしまった。



「ルイはいつもあんな感じなんです。素っ気なくてすいません、ちなみに彼も僕も歳は17です」

セレがそう付け加える。


もっと年上かと思ってたけど、私の1つ上なんだ…。



ルイは少しウェーブのかかった紫髪をハーフアップにしていてセレと同じくスッと高い鼻、セレとルイのような人をを容姿端麗って言うんだろうなって思うほど2人は綺麗な顔立ちをしていた。

さっき一瞬見えた瞳は、サファイアのような澄んだ青色の瞳をしていた。

何だか不思議で無愛想な人だなー…。



それがルイの第1印象だった。


3番目に紹介を始めたのはエルだった。

「僕はエル=アルヴァーン、歳は16。さっきも名前言ったから覚えてくれたよねー?」

エルがフードをとると雪のように真っ白な白髪が目に入ってきた。

エルは癖1つないサラサラした綺麗な白髪で、二重まぶたに長いまつ毛…長めの前髪から覗く瞳はエメラルドのような緑色をしていた。

セレやルイとはまた違った顔立ちをしていて、どちらかといえば可愛い顔立ちをしていた。


3人共同じファミリーネームってことは…。

「…皆さんは兄弟なんですね?」


「はい」


「なるほど…」


これで色々と納得した。



「では、あなたの紹介をしてもらってもいいでしょうか?(ニコッ」

セレが私の方に手を向け笑顔で「お願いします」と言う。

「あ、はい…。私はレイラ=アイリスと言います。高校1年生で歳は16です。」

私は緊張のせいか少し俯きながら話してしまった。

こういうのはあまり慣れてないんだよね…。


「レイラ…とてもいい名前ですね(ニコッ」


セレの言葉は素直に嬉しかった。


「あ、ありがとうございますー…「それに女子高生だったとは…。女子高生と1つ屋根の下とはなかなかいいですね(ニコッ」


「その、女子高生っていう言葉を強調するのやめて下さい」


「そーだよ、この変態♪」


エルは笑顔でセレの頭に拳を落とす。

ゴスッという鈍い音がした。


…痛そう。

「…何を言ってるんですか、この二重人格(ニコッ」

セレは笑顔を絶やすことなくエルの方を見ている。

口は笑っていても目が笑っていない…。


「えー、何のことかなー?この変態。その笑顔とか本当に胡散臭いからやめて欲しいんだけどー」

「胡散臭いとはなんですか(ニコッ」

「その胡散臭い笑顔で今まで何人の女を落としてきたんだっけー?」


「エル……僕もいい加減怒りますよ?(ニコッ」


「勝手にすればー…「セレ…エル、うるさい」

いつの間にかルイが部屋に戻ってきて部屋に入ってきた。



「いつの間に戻ってきたんですか⁈」

驚きすぎて声が裏返りそうになる。


「………さっき」

「そうですか」

相変わらず無愛想な人だ。

「…………」

ん…?

ルイが私をじっと見ている。

「あの…な、なんですか?」

私は思わず身構える。

「…………お腹、減った」

「え……ご飯ですか?」

私は拍子抜けした声を出してしまった。

「そう…早く血、頂戴」

眉間にしわを寄せてルイは私を抱き寄せる。

「⁈‼︎‼︎‼︎‼︎」

抱きしめられ体が熱くなった。


でも。

今……血をくれって言ったよね?

なんで血なの?

「ずるいなー、僕もお腹すいてるのにー」

「僕ももう1度あなたの血を頂きたいです(ニコッ」

セレもエルも私のそばに寄ってきた。

「あ、あの、なんで血なんですか⁈‼︎」

私がそう尋ねると3人はきょとんとした顔をしていた。

何…その顔は。


「何でってー…僕達」

「ヴァンパイアですから(ニコッ」

「まあ…あんたは信じてないみたいだけど。……リアリストっぽいし…」



この目の前のイケメン達が……



ヴァンパイアだって?



冗談もほどほどにして頂きたい。


「ヴァンパイアなんて、実在しませんよ?」

「……実在するから、ここにいんじゃん…」


冗談だとわかっているのに私はなぜか逃げ出したくなった。


3人に背を向けて部屋を出ようとしたがー…出口を塞がれてしまった。



「では、僕達がヴァンパイアだということをこれからたっぷり証明して差し上げます(ニコッ」

え、証明する?

「実際に血を吸っちゃえばー、信じたくなくても信じなきゃいけなくなるしねー(ニコッ」

血って、私の血を吸うの…?

「…早く吸わせてよ…」


え?

え?





「えええぇぇぇぇぇーーーーー⁈‼︎‼︎‼︎」





私の声が家の中に響き渡った。