透明な水の膜から見える赤が、ゆらゆら揺れる陽炎のように見える。



……分かってるよ。


分かってる。



…切って死ねるはずはない。



────♪♪…♪…♪



───ビクッ!!




ケータイが音楽を奏でて
イルミネーションの光が
真っ暗な部屋を照らす。



「…………」



着信相手など確認する事もしなかった。



ふらふらと機械的に動き、無意識に通話ボタンを押す。



────ピッ…。



『──…ゆな?』



「─────…ッ」


なんでこんなときに…ッ




「───…りょうた…」