《文昭視点》

マンションに帰ったら
簾次は居なかった。

周りを見渡すと
何時も二人で飯を食ってる
ガラスのテーブルの上に
小さな紙が置いてあった。

【文昭へ

別れたがってただろう?

だから、別れてやるよ。

帰ってくる頃には
俺は居ないけど、
ちゃんと飯食って
風呂入って寝ろよ

あん時は助けてくれて
ありがとうな

幸せになれよ?

簾次より】

あいつ、気付いてたのか……

一度手放したものは
二度と帰って来ない。


文昭視点①---終