君と出逢ったのは、桜が散り始めた頃。

高校2年の春。

放課後の静かな図書室で
窓から入るふわりとした風。

その風に舞う桜の花びら。

壁によりかかって静かに眠る君。

君の顔に花びらが落ちる。

花びらが顔についていることさえわからないくらい深い眠り。

そんな君の顔につく花びらを取る。
やっと気づいて目を覚ます。

吸い込まれそうなその美しい目に私は恋に落ちた。