何しろ凪斗は学年ー…いや、この学校のアイドルと言っても過言ではない存在だから。


まあ、顔はかっこいいし、テストも毎回学年首席だし、ピアノもこの前なんかの賞取ってたし?


モテるのは分かるんだけど。


私と凪斗はいわゆる幼なじみってやつ。


小さい頃、保育園で凪斗に『お前は今から俺のものな』と言われてから、凪斗はしつこく私に構うようになった。


しかも家もなんと私の家から歩いて3分という、なんとも少女マンガとかでありそうなパターン。


この学校には、凪斗の幼なじみは私しかいないから、女の子たちはもちろん黙っていない。


般若のような顔をして、私にことごとく嫌がらせを仕掛けてくる。


どうせ、遊びなのに。


凪斗は私をからかってるだけ。


そうに決まってる。


だって私は別に、クラスの女の子たちみたいに目が大きいわけでもないし、スタイルだっていいわけじゃない。


だから、凪斗は私のことをからかって遊んでるだけ。

ズキッー…


「?」


胸に違和感がはしり、手を胸に当ててみる。


一瞬痛みがはしったような気がしたんだけど…気のせいかな。


ていうか!面白いおもちゃ程度にしか思われてないのに、何で私がこんな目に!?