「そうですか……応援します。お話が聞けて良かったです。」

「ほんと?じゃあ、最後のプログラム頑張らなくっちゃ!松中さん、終わったら一緒にご飯でも行きません?」

「えっ、いいんですか!?」

「女子会よ、女子会!連絡先、交換しませんか?」



 カナリアが歌うように言った彼女の言葉が、単純に嬉しかった。私は編集者である前に、園田亜有のファンだ。その彼女に食事に誘われたのだから、舞い上がっても仕方がない。「ありがとうございます」と「恐縮です」を繰り返す私を、亜有さんは大袈裟に笑い飛ばしたのだった。

 よく考えたら、彼女とは五年の付き合いなのだ。最初は堅苦しかったインタビューも徐々に打ち解けてきて、今では冗談を言ったり、プライベートなことまで聞けたりする間柄になっている。心を許してくれているのは分かっていたが、もう一歩踏み込めなかった私の代わりに、彼女から歩み寄ってきってくれた。良かった、またこの笑顔が見られる。胸を撫で下ろしたのも束の間、今期の演目について質問することにした。