ガタン、ガタン、 上下、左右に小刻みに揺れる電車の中。 あたしの隣には大きなトランク。 「もう少し……」 ギュッとスカートを握って外を見てみれば、出発したばかりに見えていた山々は見えなくて、背の高いビルが見える。 もう少し、後少しで、 ……懐かしい、あの街に、帰れる。