家に戻ると、クーラーの効いている快適な気温が私を包み込んだ。

「うはぁぁ...すずしぃ...」

さっさと入ると手洗いとうがいをして、いちごミルクのパックを開けた。

甘く冷たいそれが体を冷やしていく。これはもう飲料などではない、クーラーのようなものだ...

皿を出して、エクレアもあける。

もぐもぐ頬張っていると、クラスメイトからメールが届いた。


件名:見た?!
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世界終了ってやばくね?!

ソッチは大丈夫?



「えええ...どうでもいいなこれ」

やばいの世界終了絶対知ってるのにメール送るお前じゃね?

そんな言葉は呑み込んで「大丈夫」と返信を打ち、椅子にもたれかかって残りのエクレアを口に放り込む。

またテレビをつけてみるが、やはりニュースしかやっていない。

ここまで騒がれると、実はノストラダムスとかの大予言と一緒で滅亡しないオチなんじゃないか、と考えが浮かんでくる。

ニュースでは、世界各地での暴動が起きている様子や泣き崩れている人々が映し出されていて、非常に生々しかった。

わけのわからないことだらけで、頭が痛くなったので私は早々にベッドにもぐり込んだ。

「あ...親からメールも電話も来てねぇや」

そんなことにちょっと寂しさを感じ、少し泣いてから眠った。

夢は見なかった。