「まあ、怒らせると戦争を起こしかねないメロウやケルピーに比べたらまだ楽だよ。」

「忙しさではダントツだけどな。」

「もー、せっかく頑張ってフォロー入れてるのに邪魔しないでよ。」

「事実は知っておく必要があんだろ。」

「俺、帰ってもいいか?」

「いいわけないじゃん。ほらー、帝虎のせいで賢斗怖がらせたじゃん!!どうしてくれんのー?」

「俺のせいじゃない。それに、こいつ怖がってはない。」

「賢斗、怖いのか?」

さっきまで窓辺から景色を眺めていた沙娜がいつの間にか俺の目の前にいた。

「面倒だなとは思うけど、怖くはねえよ。」

そっか、と言って笑う沙娜を見ると、モテんのも伊達じゃねえなと感心する。