「その神官に人間代表として賢斗が選ばれたんだよ。」

狼茉はニカッと笑った。

「人間代表?」

代表だけならいいが、人間ってのがどうも気になった。

「そ。俺と帝虎は水獣(すいじゅう)代表で、あと水龍代表がいる。みんなで水巫女を支えるのが俺達の役割なんだ。」

"水巫女"と言った時、狼茉は沙娜の方を見た。

「なるほど。」

「あれ?賢斗は理解が早いね。」

「どうせ俺が断ると言ったところでどうにもならないんだろ。」

せいかーい、と腕で丸を作る狼茉。

沙娜の視線には気づいていたものの、知らん顔をした。