「あー、海底遺跡か。」

ずっと前に読んだ本に書いてあったのを思い出した。

「だがもうアトランティスは人間界には存在しない。」

「は?」

「僕らが今いるアトランティスを、彼らの先祖達が妖精界に移しちゃったんだ。」

沙娜の代わりに説明した狼茉の視線の先にはあのナマズ男がいた。

「あいつも妖精の仲間みたいなやつか?」

よく見るとない首の付け根に魚のえらのようなものがある。

「雑魚妖精だ。」

一人、猫じゃらしで遊んでいた帝虎が虎の姿のまま答えた。