気づくと、先生が教室に来ていた。

いつものようにだらだらと、聞いても聞かなくても変わらないような話をして、どこかへ去ってゆく。

ぼーっとしていると、麻矢に声をかけられる。

「美由希!何やってんの?次移動だよ! 早くいこーよ!」

ハッとして美由希は歩き出す。

そして-昼休み。

美由希はもちろん麻矢と一緒にいる。

そして唐突に麻矢は話しだした。

「あのね、
あたしがきいた噂なんだけど…」

麻矢はにこにこと楽しそうに話す。
噂話は大好きなのだ。

「なんか、知らない人からラインがきて 最初は普通なんだけど、段々ストーカ ーみたいになるんだって!」

「なにそれ〜
どーゆーことなの(笑)」

「なんかね、『君の家知ってるよ。』 『今家の前にいるよ。』とかそーゆー 感じなんだって!」

「え〜?
本当にそんな事あるの?(笑)」

「もう!信じてないでしょ!本当なんだ って!」

麻矢が少し怒る。

「はいはい。わかったわかった。」

美由希は適当に返す。

それに対して麻矢はいじけてしまう。


麻矢はなかなか機嫌を直してくれない。
いつもそうだ。

だが、美由希は麻矢の機嫌の直し方を知っていた。

「麻矢〜
ごめんってばあ!またあのパンケー キ奢るから許して?」

「えっ?ほんとっ?
やったあ〜♡
アイス付きでよろしく〜!」

今まで怒っていたのはなんなのかと美由希は思う。