君の扉〜私の心と 君の鍵〜

〜美音side〜

そうか…そうだったんだ…。確かあの時はお父さんが病院に運ばれたって聞いて天音に連絡するどころじゃなかった…。
「あの天音…」
「あたしの名前を呼ばないで!」
「でも…」
「あんたなんか友達じゃない!友達なんかいらない!」
「天音…!」
天音は泣きながら行ってしまった。
私が…この私が天音をモンスターに変えてしまった…。
「私が…私が悪かったんだ…!私が…」
「美音が悪いわけじゃないよ」
「でも連絡していたら…!」
そうしていたらこんな事にはならなかった…。
でも、もう引き返せない…。どんなに強く願ったってあの頃には…。
そう思うと涙が出てくる…。
「泣かないで、美音…」
「でも…」
「なぁ、俺に提案があるんだけど。もしかしたら仲直りできるかもしれねぇ」
「「え?」」
「まぁ、俺に任せときなって!だから美音、泣くな。俺まで悲しくなるだろ…。絶対に美音の笑顔を取り戻すから!」
「うんっ!」
いつも優しい五十嵐くん。だからいつも甘えちゃう。本当に大好きっ。
そして五十嵐くんの提案は後日に実行されることになった。