〜天音side〜

明日はいよいよ文化祭だなぁ。美音の家で少し練習みてもらおっと♪
それにしても、美音遅いなぁ…。
…ポツン
あ、雨だ。どうしよ。傘持ってないし…美音、早く来て…。
プルプルル…
「もしもし…?」
『もしもし?天音?お母さんだけど、今、どこにいるの?』
「学校だけど…?」
『学校?早く帰って来なさい。雨も強くなってるし』
「でも美音が…」
『美音ちゃんなら家に帰ってるわよ』
「え…」
『美音ちゃんのお父さんが急に倒れて、病院に…』
お母さんの言ったその続きがあたしには聞こえなかった。
それから雨に打たれながら絶望になりながら帰った。
その晩、あたしは熱を出してしまった。
「38度9分…今夜はゆっくり寝なさい」
「はーい…」
あたしは朝になったら治ってる。そう思ってた。でも違った…。
「38度7分ね。今日も寝てなさい。」
「でもコンテストが…」
「それは無理よ。また来年出ればいいじゃない?」
「でも…」
「熱があるんだから諦めなさい!」
ウソでしょ…?あんなに練習したのに!全部が水の泡だ…。
美音が連絡さえしてくれればあたしは歌っていたのに!
美音なんか…美音なんか…友達じゃない!友達なんかいらない!