それに気付かない五十嵐くんは
私の隣の席に近づいてくる。
「今日から隣の席だからよろしくな」
「どうも…」
「名前、何ていうの?」
「櫻井です…」
「下の名前は?」
「美音です…」
「へぇ〜いい名前だな」
「…」
いや、どうでもいいから話しかけないで。てか、周りを見ろよ。
女子たちの目が、目がぁーっ!
「どうしたの?」
「あ、いえ…何でもありません…」
「あのさ、敬語なしにしない?」
「いえ、私は私なりの喋り方で喋りますので…」
「そっか…」
うん。そうだよ。だから話しかけんなつっーの!