狼は白雪姫がお好き

飴はまあ、お前の口の中甘かったしな、なんて付け加えられて、もう反抗することを諦めた。

「もう・・・ワケわかんない・・・」

 そうだ。りんご飴はどこにいったのだろう。

現実逃避気味に周囲を見渡すと、無残な姿に成り果てたりんご飴を見つけた。



それはカーペットにべちゃりと落ちていた。付着する食紅。

「ああ・・・あああっ!!」

今までのことが全部吹っ飛んで、私の頭の中には目の前の惨事が満ちた。

「ちょっ、カーペットカーペット!」

「おい・・・」

「赤い色素が!取れなくなる!」

「・・・おい、ちょっと・・・」

「お気に入りなのにいいい!」