抱えられたまま連れてこられた場所は旧校舎の音楽室だった。


「ホラーなにおいがするぜ」

「なんもでねーよ。そんなことより、俺に言わなきゃならねぇことあんだろ」

そうだ。私はなぜこんな所に連れてこられたんだ。

「私はなにゆえここにおるでありますか?」

「まず、俺に謝れよ」

ちょいまち。私がこいつに謝らなくてはならぬことがあったでござるか?

「俺のスカイツリー蹴りやがったろ」

「なるほど。すまぬで候う」

「ふざけてんのか」

「至って真面目で候う」

「そういや最初見たときもこんな感じだった」