「テーブルの上でよろしいですか」

「ええ、そこに置いてちょうだい」

 ロビンは宇宙食の入ったチューブと飲物をテーブルの上に置いた。

「では、また何かご要望がありましたら、およびください」

「ええ、ありがとう」

 エツミと夕は、チューブに入っている料理を皿の上に取り出してスプーンで食べ始めた。暖かい肉料理のにおいがする。

「にやーん」
「あっ、ナオっち、欲しいの?」

「お腹がすいているのよね。きっと」とエツミ。

 夕は、小皿に魚の肉をとってナオっちに与えた。

「おいしい?ナオっち」
「にゃーん」

ナオっちの鳴き声を聞くと、夕によく懐いているなとエツミは思う。

「どこから見ても、普通の猫よね。かわいいわね」

 ナオっちは小皿の肉をたいらげると、今度はエツミの顔を見た。

「あら、まだ欲しいのね」とエツミ。
「にゃーん」
「あはははは、猫は正直ね」

 食事が終わるころロビンが入ってきて、トレーや空のケースをカートにのせキャビンのドアから出て行った。

「夕さん、時間までベッドでやすみましょ」

「はい、出発してからたいして時間立っていないのにすごく疲れた感じ。ナオっちもいっしょに寝ようよ」

  チリンチリンと鈴の音を鳴らして、ナオっちがベッドの上に飛び乗った。

「にゃーん、ゴロゴロゴロゴロ」
  二人がベッドに横になると、室内の照明がだんだんと薄暗くなり、窓の外の無数の星だけがその輝きを増した。